STRUCTURE -建築のサイズ-

2017年7月25日(火)〜7月30日(日)

表参道の古書日月堂のご協力を頂いて、古代ローマ建築図面などの紙資料作品を展示します。
是非ご高覧頂ければと思います。

古書日月堂様のコメントです。
バブル期に日本の出版社が入稿紙として使うためにバラバラにした建築書の挿絵部分が大量に古書の市場に出品されたのは、昨年の暮れの頃のことでした。
元の書籍はフランスで発行された洋書ばかり、よく見ればほとんどが19世紀末から20世紀初頭に刊行されたもので、古いところでは1779年ーフランス革命前前ーなんていうのもあります。
フランス革命前!

建築物あるいはその部分をスケッチし構造を図解し数値を書き入れた挿絵は全て銅版画です。あくまで〝実用〟を目的につくられたものですから、ただただ精緻と忠実を旨とし、情感の一切を排除して描かれたものたちであり、もちろん、どこの誰とも知れない無名の人たちの仕事です。
がしかし、その仕事の何と見事なことか!

およそ500枚超、ほとんどがB3やA2サイズくらいはあるこのバラバラの書籍の断片を仕入れることになってしまったのは、1枚1枚が完結した「作品」として立派に成立しているから。
大きくて扱いにくく、いつになったら売り尽くせるのか見当もつかないこの建築図集を思わず仕入れてしまった理由は、そんなところにあったのかも知れません。

実は、そうした見方を意識化させて下さったのが誰あろうJINEN GALLEREのご主人その人でした。
落札したばかりの大量の建築図のヤマを前にして頭を抱えていたところに彼の氏が来合せたところから、思えばこの企画はスタートしていたというわけです。

無人の工人の手になる銅版画が、いかに見事なものか!
そしてJINEN GALLEREさんと日月堂の審美眼は信に足るのかどうか?
ご確認いただくためにも(?)、会場に是非お出掛け下さい。
みなさまのご来場を 息を呑んでお待ちいたしております。